2014年6月28日土曜日

W杯で気づかされたメンタリティの重要性とその改善案

ブラジルにて現在開催されているW杯、この大会において、アジア勢が揃って予選を敗退した。特に、日本と韓国の選手らが、敗因の1つとして挙げているのが、「メンタリティの弱さ」であるようだ。無論、メンタリティ以外にも、様々な要因が今大会における早期敗退に関わっているであろう。海外クラブに所属する日本人選手らが、頻繁にこの言葉を口にし出したのも、おそらく、海外に渡り強豪国の選手らと接し始めてからのことであろう。特にヨーロッパや南米の選手らは、このメンタリティが日本人選手に比べ、平均してより強いと見られている。その一因として挙げられるのが、彼らの宗教や、育った幼少時代の環境であろう。日本人は比較的、無宗教でも不自然ではない。幼少時代の環境も、平均して南米やヨーロッパの貧しい地域に比べると、はるかに恵まれているであろう。これで食って行かなければ、家族を養えない。そう幼少時代から脳裏に刻み込まれ、フットボールと「生きる」ということの密接な関係を築き上げてきている。日本では、そのことを俗に、「ハングリー精神」と呼ぶのではないであろうか。そして、南米の強豪国の選手らは、そのハングリー精神が比較的強いと言われてきている。ここで負けたら、もう後がない、だから、負けていても、必ず取り返し、絶対に勝つ。彼らは、試合中に、こう頭の中で念じている、と強く信じる。

メンタリティをどうやって改善するか。それは、お国柄により、異なるのではないであろうか。特に、日本人には、空手や柔道を初めとする日本特殊の格闘技、並びに、お寺でよく見かける座禅、と言った恵まれた環境が整っている。そして、既に遂行されているかもしれないが、これらの中で行われている、自我を無にする、という手法を、フットボールの練習にも組み込んでみてはいかがであろうか。毎日、例え、10分でも良い。毎試合の直前に、ロッカールームにて、3分だけでも良い。心を無にし、自分と向き合い、これを習慣とするすることで、ブレない自分を作り上げる。口だけで、自分はメンタリティが弱いと放つ前に、これらの習慣を毎日こなし続ける、という努力がまず必要なのではないであろうか。沈黙を守り、行動で制す。沈黙を守り、試合に勝つ。

欧州に10年以上継続して在住する者として発言させて頂けるのであれば、例え国籍が異なるとも、極端に言えば、我々は同等に、「人間」としてカテゴライズされている生き物であろう。自分の中であれこれ考えてから人と接するのと、何も考えずに人と接するのとでは、確実に全く異なる結果が起きる。後者のやり方で人と接する方が、自分にとってより有利な結果が出せると信じる。これらは、訓練でいくらでも修正が可能である。言葉が通じなくとも、笑顔だけでも良い。とにかく、外を歩き、出来るだけ多くの人々とコミュニケーションをとる。それは、アイコンタクトでも良い。これらの行動中における、「嫌われる」という言葉を、自分の辞書の中に作らないことも重要である。人に笑われても、睨まれても、自分の人生における最終目標に比べたら、そんなのはどうでも良いことであろう。喜怒哀楽を顔という部分を通して表現するのが、人間がとる当然な生態の1つである、と信じた方がロジックであろう。残るは、覚悟の問題であると強く信じる。

メンタル面において言えば、現フランス代表に興味深い選手がいる。ヴァルブエナという背番号8の、身長167cm、体重58kgの選手(参照:Wikipedia)である。これらの数値からお察しがつくかのように、日本人の選手と比べても、比較的小柄な選手である。今回のW杯において、右サイドのアタッカーとして先発し、同国が予選グループをトップの成績で通過するのに、多大なる貢献をしている。得点も、確実に決めている。フットボールを楽しんでいる姿が、我々の目の前に映っているのである。例え、自分よりも大きく、より有名な選手であろうと、容赦なく突進して行く姿は、自分を無にしている人間の一人、ということが暗示されているのではないであろうか。世界中には、異なる宗教や幼少時代の環境が、当然のように存在しているだろう。一方で、最終的に、我々を勝利に導くものは、周りではなく、自分自身の内側にある、と強く信じている。

執筆:Dragonshoot



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