2014年7月26日土曜日

アギーレジャパンに望むメリハリのある適切な改革

アギーレジャパンが決定的となったサッカー日本代表だが、ネット上では招集メンバーの予想等で賑わい始めている。Creative Footballでは個人的に、予想メンバーというより、日本代表に適性があると信じるフォーメーションと選手の配置を作成させて頂いた。

football formations

フォーメションだが、3-4-3を起用させて頂いた。理由は、2つある。1つ目は、日本に歴代して豊富なタレントが集まるサイドバックの選手らを出来るだけ攻撃的に起用する事。2つ目は、個よりシステムで守備をするという事である。

まずFWには、左から、南野、宇佐見、そして宮市を配置させて頂いた。若手を中心に起用したとも見られる一方で、ブラジルW杯での結果を二度と繰り返さない様、メリハリの付けたメンバー選考を試みた。無論、これらの選手らは現在結果を出している者もあれば、宮市のように世界の有数クラブのトップチームに所属しているが出場機会になかなか恵まれない者もいる。ただ同選手には、メンタリティ、フィジカルにおける世界に通用する潜在能力が非常に高いということで今回の選考に至った。

MFには、左から長友、柴崎、山口、そして塩谷を配置させて頂いた。長友にはキャプテンがふさわしいと信じ、名前の横に(C)のマークを付けさせて頂いた。中盤の中心には、ボールがさばける柴崎とダイナミックな動きができる山口でバランスを取るようにした。右サイドには、得点能力もある変則的なサイドアタッカーとして、守備もできる塩谷でメリハリを付けた。特に両サイドには攻守における運動量が求められるため、スタミナがある選手らの起用が望ましい。

DFにも以前のメンバーとメリハリを付け、若手の植田、西野、岩波を配置させて頂いた。これらの選手らは若手とは言え、既にJ1でのスタメンにも名を連ねている。身長面等のフィジカルにも恵まれている。植田を筆頭にメンタリティの強さにも期待が寄せられる。ロングフィードの成功率も上がってきており、ビルトアップにも高い潜在能力がある。4年後を見据え、長期的に連携面を高めて行くことも可能である。ブラジルW杯でのコスタリカのように、オフサイドトラップが多く取れるチームに育て上げる事が望ましい。

GKだが、特に優れた選手が育ってきていないのが少し不安材料である。現状では、安定性のある東口を配置させて頂いたが、このポジションはこれからも流動的になる可能性が高い。

前ザックジャパンとはメリハリのある選手の起用を試みたが、このくらいのことは当然にあってもおかしくはないであろう。それは2億円以上の年収を頂く者として、日本国民が納得のいく「改革」を実行し、代表監督として納得させなければならないからである。ファンがあってのプロのフットボールには、最低限の誠意であると強く信じている。巷ではアギーレジャパンの構想として、本田をワントップ、香川をトップ下というような噂も行き交っているが、少しポジションを替えたぐらいで簡単にドイツのような強豪国と互角に戦えるのであろうか。答えは多くの方々が既に知っている筈であろう。もしブラジルでの結果を繰り返したくなければ、監督やスタッフ陣のみだけでなく、選手並びに協会の人事も大幅に改革しなければ異なる結果を産み出す確率はより低くなるのかもしれない。


2014年7月12日土曜日

現状の日本代表における長所と短所

現在日本のメディアでは、日本代表の次期監督候補として元RCDエスパニョール監督のハビエル・アギーレ氏を挙げている。一方でブラジルのメディアでは、元コリンチャンス監督のアデノール・レオナルド・バッチ氏が候補に挙がっていると報道している。色々な憶測が飛び交う中、協会側に期待したいのが、ブラジルW杯における日本代表の分析、並びに現状で最も伸ばすべき日本代表の長所的なスタイルである。これらは次期監督を選定する前に、冷静に遂行しておかなければならない最重要項目であると信じる。Creative Footballでは、個人的に、現状の日本代表における長所と短所を考察させて頂いた。


長所1:「サイドバック」

歴代における日本人選手の世界に通用するポジションを挙げるとすれば、サイドバックなのではないであろうか。元日本代表の奥寺氏に始まり、都並氏、そして長友といった選手らは世界に通用する屈指の日本のサイドバックであろう。そして他のポジションに比べ、不足しているという話題もあまり持ち上がらないのではないであろうか。又、日本には世界に誇れるマラソンの文化がある。スタミナが同時に要求されるサイドバックのポジションに困らないというのは、ここに由来する所が多いのかもしれない。世界的に見ても、元フランス代表のリザラズや、元ブラジル代表のロベルト•カルロスら、歴代して小柄な選手らが目立つ。日本人が、身長面で世界に劣る必要が無いポジションと言っても過言ではない。このサイドバックの選手らを応用すると、中盤でのサイドに起用ができるであろう。


長所2: 「システム」

日本人の国民性を言えば、真面目で規律を守る傾向がある、という事ではないであろうか。大多数の学校では、個を出す事より、協調性を重要視した教育体制を採用してきている。大人になってから突然、個を出せと言われてもどうして良いか分からない、というのが現状なのではないであろうか。成人してから個を出そうと努力している日本人選手らも存在すると推測されるが、幼少の頃に植え付けられたパターンに反する事は、リラックスしてプレーができないということに繋がるのかもしれない。リラックスができなければ、フットボールで重要な楽しむ、という姿勢からも遠ざかってしまうのではないであろうか。故ブルース•リーがコメントとして残した、「Be water (水になれ)」、というニュアンスこそが、自分達の最大限の力を引き出せる鍵となるのかもしれない。トルシエ•ジャパンで結果を出した3バックを筆頭に、個で戦うのではなく、11人で戦う方がより日本代表に合っていると信じる。


短所1: 「ワントップ」

これまでにもザックジャパンで悩まされてきた、決定的な仕事ができるワントップの不在である。ここを、9番のポジションと呼んでも良いであろう。欧州で言えばイブラヒモビッチやレヴァンドフスキ、南米ではスアレスやファルカオらといった選手らが代表的である。これらの選手は、ワントップというポジションで単独で点を取る事も可能である。一方で、これらの選手に匹敵する選手が日本人の中にいるかどうかは、現状では不確かである。ただ、イブラヒモビッチがコメントして残した、近い将来日本にも有望なストライカーが生まれるであろう、という言葉が示すように未来の可能性を信じなければならない。現状では0トップというシステムが流行しているが、オプションとしては考慮しても良いであろう。その際は3-4-3等の、3バックで最終ラインを統率し、中盤の両サイドには優秀なサイドバックの選手を配置する、というシステムを起用しても興味深い。そして、前線の3選手を中心に、システムを通じてフィニッシュするという工夫が必要となってくるのかもしれない。


短所2: 「トップ下」

日本におけるトップ下選手の不足は、これまでにそこまで話題に上る事は無かったのではないであろうか。それは、ワントップやセンターDFにおけるポジション不足により注目が集まった際の、死角だったのかもしれない。もし、ボランチを「チームの心臓」と例えるのであれば、トップ下は「チームの脳」と例えても良いであろう。故に、この「脳」に求められるのは、的確な判断とその実行である。このポジションで安易なパスミス等が起こると、カウンター等を受けチームに不利になる事が少なくない。トップ下を務める選手に適しているのは、誰もが頼れる正確性なのではないであろうか。言い方により、このポジションにおける優秀な選手らを、ファンタジスタとも呼ぶ。ジダン氏やルイ•コスタ氏らがその筆頭であろう。日本で言えば、マリノスの中村であろう。今回のW杯でも、同選手のプレーが見たかったファンも多かったのではないであろうか。ただ、イタリア代表のピルロらと同様、これまでにファンタジスタと呼ばれてきた選手らは当然年齢を重ねてきている。それがネックとなってか、ボランチに回ったり、代表に招集されない理由の1つとされているのかもしれない。ブラジルW杯でファンタジスタと呼ばれるようなトップ下の選手を挙げれば、コロンビア代表のハメス•ロドリゲスやイングランド代表のスターリングらに、その高い潜在能力が期待されるであろう。大多数のチームは、ファンタジスタより、フィジカルが強く柔軟性のあるFWの選手を配置する傾向にある。一方で、現状の日本代表を考慮すると、3-4-3等のシステムを基本に、中盤の真ん中の2人にはボランチ兼トップ下の仕事ができる選手の起用、というのが適しているのかもしれない。今大会に出場した山口や青山を筆頭に、柴崎のような若手らがこれからも成長していく事を念じている。

記事:Creative Football



2014年7月10日木曜日

ブラジルW杯で不在がちな9番の存在

ブラジルW杯準決勝、アルゼンチン対オランダの試合は延長戦終了まで決着がつかず、結局PK戦までもつれ込む形となった。結果は、アルゼンチンが4-2の成績で勝利を収めた。この試合中継を拝見して感じた事が、今大会におけるPK戦の頻度である。特にオランダ代表にとっては、準々決勝から2戦連続でのPK戦となってしまったのだが、サッカーファンの多くの方々にっては、延長戦終了までにゴールシーンが見たかったのではないであろうか。このような結果になっているのは、決定的な仕事が出来る9番の不在、というのが1つの原因として挙げられるのではないであろうか。

無論、先日行われたドイツ対ブラジル戦のように大量得点を奪っての勝利というのも記録に残っている。一方で2列目に多いスター選手ら、特にメッシやロッベンといった選手らが得点を決められないと、PK戦という結果に繋がってしまうのではないであろうか。特にストライカーとして期待が寄せられていたオランダ代表のファン•ペルシは、準々決勝以降、コンディション状態があまり優れていなかったように見えた。PK戦で勝利を収めたアルゼンチン代表には、残念ながら、1列目である9番のポジションで決定的な仕事が出来る選手が見当たらずにいる。例えDF陣が良い働きを見せたとは言え、延長戦終了まで両者0点という結果がこの事実を物語っているであろう。

W杯には大陸ごとに出場国の枠というものが存在している。特に欧州には13カ国と比較的多めに用意されているのだが、今大会を見る限り、もっと欧州と南米に枠数を増やしても良いと考察することができる。一方で、もしそうなれば、今大会で成績が好ましくなかった大陸における出場国の枠数が減る可能性もあるであろう。その枠数配分がネックとなり、欧州の世界的なトップストライカー達が今大会の出場機会を逃していると言っても過言ではない。例えば、今大会のアジアの参加国にも引けを取らないスウェーデン代表のイブラヒモビッチや、ポーランド代表のレワンドフスキらである。皮肉にも彼らは、単独のストライカーとしては世界でも屈指と言われるべき選手らなのではないであろうか。そして、もう一人、今回は怪我で出場が断念されたコロンビア代表のフォルカオという選手がいる事も忘れてはならないであろう。彼らは、今大会に不在がちな9番のポジションで仕事が出来る選手ら、であったと信じている。

ブラジル代表には歴代で、9番の位置で決定的な仕事をする選手らが存在していた。ペレに始まり、ロマーリオ、そしてロナウド。しかし、フットボールが近代化するにつれ、システムも0トップというものが人気を博すようになってきている。これが起因しているかは不確かであるが、現在のブラジル代表には絶対的な9番が不在と言っても過言ではない。これはブラジルに限って言える事ではなく、アルゼンチン、オランダ、そして日本代表にとっても同じような事が言えるであろう。今は2列目にストライカーが集中する傾向のある時代だが、W杯という大舞台で結果を出すにはやはり、ドイツ代表のシュールレやクローゼらといった9番の位置で仕事ができる選手らの存在が鍵となってくるのかもしれない。



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