2013年12月20日金曜日

反らす事なく奥深きを見る


Smile: 1 Million $ / k.monsoor


海外で活躍するあるテキスタイルデザイナーからの質問でした。どうして日本人は、目を見て話してくれないのか?このデザイナーがミーティングで日本の方と話した時に感じた事だそうです。僕は反論しました。日本では、相手の目をしっかりと見て話すようにと訓練されているはずだ。それはおかしい。それでも、このデザイナーは、でもあの時はろくに目を見て話してくれなかった。しかも、シャイなのか分からないが、行動もあまり堂々としていなかった。ここまで言われて少し思った事がありました。実はそういう方々を自分の周りでも見た事がよくあったのです。しかし、それは日本国内ではなく、国外で自分が留学していた時によく見かけました。

なぜ、こういうことが起こりうるのでしょうか?それは、まず異国という大地で、異なる言語を話し、見た目も異なる人と対応することにあるのではないでしょうか?特に日本という国は、西欧諸国に比べると、海外からの移民や移住者があまり多くはありません。そして、彼らに対して自然とコミュニケーションがなかなかできていません。世界標準語の英語を、日本語を話す時のと同じように自然体で話す事がなかなか困難なようです。そして、島国根性とよく聞きますが、自分たちで固まる性質があります。実は、ヨーロッパの大学内でそういう日本人のグループをよく見かけました。僕は、あえて多くの人種の人とコミュニケーションを図るようにしました。日本人グループの中にいる日本人はお互いに目を合わせながら堂々と日本語で話していました。しかしクラスに戻り、僕はとても驚いてしまいました。彼らが、異なる人種の前で英語でプレゼンをするとなると、先生の顔又は、自分の作品のみしか見ず、行動も堂々としていないのです。どうしたものかと、このギャップの差に違和感を覚えました。作品もはっきりとした主張がありませんので、周りの生徒からもどう評価して良いのか分からないようでした。それは、この日本人の生徒が、鬼ごっこでいう「お豆」のようにヨーロッパの学生から扱われているように見えました。

僕は日本人はひょっとしたら、国外に出ると、自分の核の中に閉じこもりやすい性格なのかなと思います。実は、僕も留学初期はそういうふうになりかけました。それでも、何故多額なお金を費やしてここにいるのかと自分を奮い立たせ、表に出ました。表に出ると、素直になった自分を周りが受け入れてくれました。自分の英語が通用しなくても、お互いに笑い合う事もできました。これがあるから留学なのではないかと思います。

異国の人を避けて、相手の目を反らして、自分の内に閉じこもる。とても簡単な事です。でも、それでは留学の意味はありませんし、日本にとって何の進歩もありません。本当に日本を強く、世界と対等にやっていけるレベルまでいけるように貢献しようとする方は、是非、水のような柔軟性を持ち、多くの異なる文化や習慣を学ぶようにしてみましょう。きっと、そこから世界の多くの方々から手を差し伸べてもらえるようになります。ましてや、国内もしくは、国際ビジネスの場であろうとなかろうと、相手の目を反らす事なく、奥深きを見、素直な笑顔を見せる事は基本の礼儀ですよね。



0 件のコメント:

コメントを投稿