2014年9月12日金曜日

アギーレジャパンの勝利の鍵はアンカーとセンターフォワードか

アギーレジャパン発足以来2戦目を終え未だ勝利無しの状態が続く代表だが、その鍵を握るのはアンカーとセンターフォワードの人選であると見ている。理由はこれまでの2戦を終え中盤での守備の安定さを欠いての失点、そして決定力を欠いた前線というのがまず挙げられる。きっとアギーレ監督の構想にはディフェンスを本職とする森重をアンカーに置く事で守備を安定させるという狙いがどこかにあった筈であろう。インサイドハーフに配置した細貝も期待通りの守備での貢献が見られず、結果チームとして失点を重ねるというザックジャパンとあまり変わらない状態が続いている。センターフォワードの大迫も潜在能力は日本でも屈指だが、得点という一番重要な課題が成し遂げられていない。そんな中、Creative Footballとしては的確な改善案を望む一方で、個人的に独自のフォーメーション案を作成させて頂いた。

football formations

まず前線の3枚だが、両サイドのウイングに武藤と岡崎を配置させて頂いた。これは多くの方々が思い描く現実的な人選であろう。武藤にはこれ迄の2戦で見せた潜在能力の高さ、岡崎には右サイドからの得点実績がある。一番の鍵であると信じるセンターフォワードだが、ザッケローニ前監督に続きアギーレ監督も高さのある選手らを出来るだけ配置しようとしている事に気づく。無論、この方向性はフィジカルの強い人種の国でなら通用するやり方であろう。ただ、日本人という平均的に小柄な人種には異なる戦略が必要であると見る。では、日本人の強みは何か。極論的な言い方をすれば、それは「小柄が持つすばしっこさ」である。特に長身の選手らにとって、これは真逆のスタイルであるから、相手にとって厄介な存在となることができるのではないであろうか。そしてもう1つ、日本人には巧みな技術がある。これらを持ち合わせている日本のトップクラスの選手を挙げれば、香川や乾という選手らが挙げられるであろう。それを勇気づけるかのように、小柄なメッシもバルセロナではこの位置でプレーしている。

次にMFだが、インサイドハーフに左から本田、柴崎と配置させて頂いた。アギーレ監督の現状での本田の起用法を見る限り、右のウイングとして今後も起用していく事が予想される。一方でCreative Footballとしては、4-3-3における本田の適性位置は左のインサイドハーフと見ている。理由は本田が左利きであると同時に、中心の位置でボールを収める事が出来る選手だからである。この中盤の位置で、フィジカルの強さを活かしてボールをキープできないという致命的な事態こそが、これまでの日本代表が起こした失点の原因なのではないであろうか。柴崎にはこれからまだ経験が必要ではあるが、相手を交わせる巧みな技術に加え、フィジカル的にも簡単には倒れないボディバランスを持っていることがベネズエラ戦でも証明された筈だ。柴崎が今後目標とするなら、中田氏が持つフィジカルの強さと遠藤が持つ巧みな技術という組み合わせであろう。そしてもう1つ、現状の代表が勝利するための鍵として挙げられるのが、アンカーの人選である。これまでに森重がこのポジションを務めてきたが、試合の結果を見る限り、同選手がこのポジションで結果を出したかは不確かである。アンカーとセンターディフェンスとの違いは何か。それは攻守の両立である。森重がこの両立をしようとなると、また異なる集中力が必要となる。だからこそ、このポジションにディフェンスの選手を持ってきたからといってチームの守備力が上がるとは限らないのである。ここには普段のチームでもボランチもしくはアンカーとしてプレーしている選手が適任である。これを考慮すると、前回のW杯でも安定した守備を見せたキャプテン候補の長谷部というのが第一オプションである。近年であるが、長谷部の守備面に関する成長というのは未だに右肩上がりである。同選手以外にも山口や細貝というオプションも挙げられるが、やはりチームの精神的軸である長谷部をこの位置に配置し、中盤での守備の統率をより図るべきであろう。

DFの人選だが、左から長友、吉田、森重、そして内田というのが現実的である。特に左のCBに左利きの選手を配置するというアギーレ監督の理想は興味深いが、前回での吉田の働きを見る限り右利きでも問題は無いと見る。そして、森重にはこれからもCBの位置で本来の仕事をしてもらいたい。理想を言えば、植田や岩波という選手らが先輩から学び、それを追い越して行く姿勢が見たい。右サイドバックの内田も、今後代表の勝利への鍵となっていくであろう。それは対人の強さに加え、クロスの精度、そしてこれまでのシャルケや代表での経験というのが強みである。

GKには西川を配置しているが、足下を今後も安定させ、ドイツ代表のノイアーのようにフィールド選手の一人としても働く事を期待したい。それにはより高い位置でプレーし、フェイントやパスの精度も上げる必要があるであろう。アギーレ監督の構想では川島が第一候補なのかもしれないが、前回のイージーミスから考察すると、現状では安心できる人選ではない。このポジションには誰もが認める守護神というのが必要なのだが、現状では未だに不確定である。正しい人材発掘の為にも、アギーレ監督には是非、これからも柔軟なGKの起用法を心掛けて頂きたい。これはきっと多くのファンの方々の希望でもあるであろう。

記事:Creative Football



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