2014年7月10日木曜日

ブラジルW杯で不在がちな9番の存在

ブラジルW杯準決勝、アルゼンチン対オランダの試合は延長戦終了まで決着がつかず、結局PK戦までもつれ込む形となった。結果は、アルゼンチンが4-2の成績で勝利を収めた。この試合中継を拝見して感じた事が、今大会におけるPK戦の頻度である。特にオランダ代表にとっては、準々決勝から2戦連続でのPK戦となってしまったのだが、サッカーファンの多くの方々にっては、延長戦終了までにゴールシーンが見たかったのではないであろうか。このような結果になっているのは、決定的な仕事が出来る9番の不在、というのが1つの原因として挙げられるのではないであろうか。

無論、先日行われたドイツ対ブラジル戦のように大量得点を奪っての勝利というのも記録に残っている。一方で2列目に多いスター選手ら、特にメッシやロッベンといった選手らが得点を決められないと、PK戦という結果に繋がってしまうのではないであろうか。特にストライカーとして期待が寄せられていたオランダ代表のファン•ペルシは、準々決勝以降、コンディション状態があまり優れていなかったように見えた。PK戦で勝利を収めたアルゼンチン代表には、残念ながら、1列目である9番のポジションで決定的な仕事が出来る選手が見当たらずにいる。例えDF陣が良い働きを見せたとは言え、延長戦終了まで両者0点という結果がこの事実を物語っているであろう。

W杯には大陸ごとに出場国の枠というものが存在している。特に欧州には13カ国と比較的多めに用意されているのだが、今大会を見る限り、もっと欧州と南米に枠数を増やしても良いと考察することができる。一方で、もしそうなれば、今大会で成績が好ましくなかった大陸における出場国の枠数が減る可能性もあるであろう。その枠数配分がネックとなり、欧州の世界的なトップストライカー達が今大会の出場機会を逃していると言っても過言ではない。例えば、今大会のアジアの参加国にも引けを取らないスウェーデン代表のイブラヒモビッチや、ポーランド代表のレワンドフスキらである。皮肉にも彼らは、単独のストライカーとしては世界でも屈指と言われるべき選手らなのではないであろうか。そして、もう一人、今回は怪我で出場が断念されたコロンビア代表のフォルカオという選手がいる事も忘れてはならないであろう。彼らは、今大会に不在がちな9番のポジションで仕事が出来る選手ら、であったと信じている。

ブラジル代表には歴代で、9番の位置で決定的な仕事をする選手らが存在していた。ペレに始まり、ロマーリオ、そしてロナウド。しかし、フットボールが近代化するにつれ、システムも0トップというものが人気を博すようになってきている。これが起因しているかは不確かであるが、現在のブラジル代表には絶対的な9番が不在と言っても過言ではない。これはブラジルに限って言える事ではなく、アルゼンチン、オランダ、そして日本代表にとっても同じような事が言えるであろう。今は2列目にストライカーが集中する傾向のある時代だが、W杯という大舞台で結果を出すにはやはり、ドイツ代表のシュールレやクローゼらといった9番の位置で仕事ができる選手らの存在が鍵となってくるのかもしれない。



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