昨日の夕方に、新居探しのために、妻と二人でカンヌの隣街ル・カネという所まで行ってきました。あるアパートを案内してくれた若者は、個人でプログラムエンジニアの仕事をしているらしく、今は出稼ぎでそのアパートに短期で住んでいました。話していくうちに、話題は仕事の話に移り、若者が働いていた昔の会社で起きた事や、独立をしたきっかけについて聞かされました。昔の会社では、上司に質問をしたり意見を言うと嫌がられ、最終的には会社のやり方に納得がいかず、独立をしたそうです。きっと独立するような方は、皆こんな感じなんだろうなと思います。独自の思想が強い方は、独立に向いていると思います。僕も個人業ですが、自我がとても強いです。それでも、皆さんに独立を勧めるというよりも、孤独に帰り、今の自分の仕事に対する本音を再確認するべきだと思います。自分の今の仕事のやり方は、自分に対しても堂々と胸を張って言えるものなのか、どうか。
僕は、会社で働くということは、「個々の家で働くこと」にとても近いと思います。家ごとに個々のやり方、しきたりがあり、それを仕切る親(社長)がいて、子(社員)がいて、成り立っていると思います。親は子に教育を兼ねて、ある特殊なやり方で仕事をするようにと伝え、期待をします。もし伝えた事と異なるやり方で子が仕事を達成したとしても、喜ばない親もいらっしゃると思います。喜ばれない子は納得がいかず意見をしたり、質問をしたりします。結局は自立して自分だけの力でやっていこうとします。それがなんとなく、先程お話した独立した若者のケースと、どうしても重なってしまうのです。
会社で働くと、仕事に対する対価としてお給料が頂けます。会社の好かれるやり方で成功すると、出世をしたり、昇給しやすいと思います。自分独自のやり方で成功すると、給料は頂けると思いますが、上司に理解されないと、自分自身も納得がいかないと思います。会社に採用される前に、自分独自のやり方でしかやらない、もしくは独自のポリシーが強すぎると見なされると、仕事に就くことさえ難しくなってしまいます。高学歴すぎると会社側も雇いづらいというのは、この点に由来しているように思えます。
伝統的な、会社に必要な人材になるように努力し仕事を得るというやり方は、もはや、新しい若い世代にはあまり興味があるものだとは思いません。これからは、本当に自分のやりたい事を見つける努力をして、自分のポリシーに合った会社探しというのが主流になるような気がしてなりません。少なくとも、ヨーロッパでは既に始まっているように見えます。大学を卒業してすぐに会社を起こす方々もいます。社員の意見を柔軟に取り入れ、成功をした者には、正しい報酬もしくは尊敬でもって理解を示す事が、これからの会社に求められている姿勢なのかもしれません。特に、これから何処か新しい会社に所属しようとお考えになっている方には、常に良い意味での孤独と上手にお付き合いできるように願っております。
0 件のコメント:
コメントを投稿